光陰矢の如し

2012年12月31日今年も1年の締めくくりに大雄山最乗寺奥ノ院へたどり着くことができた。
大雄山とは天狗像と履物の特大下駄が奉納された開創以来6百年の歴史をもつ関東の霊場として知られ、境内山林130町歩、老杉茂り霊気は満山に漲り、堂塔は30余棟に及んでいる森林の中の寺なのです。
職人、商人にゆかりのある寺とも言われ、特に信仰心があるわけではないが気が付いてみれば参拝は飛び飛びではあるが今年で26年目をむかえたのでした、特に寺への願いことを求める祈りはしないが一年の無事を奥ノ院にたどりつく努力を通し、加齢のバロメーターとしているのが唯一目的であるのです。
参拝のきっかけが何であったかは記憶にないが、(株)加賀妻工務店創業当時のスタッフ全員を引き連れ夕闇の大雄山参りを果たしたことがそんなに昔のことのようには思えないのです。
当時もファミリー企業で社長の私を筆頭に、出稼ぎ職人の世話を担ってくれた今は亡き母、弟(現ハウス建設社長)、妹(現弊社役員)、私の二人の娘(現弊社役員)、孫(現弊社職人心得)
その他社員、大工職人ら会社を創業より支えた総勢25名ほどが整然と本殿から奥ノ院までの300段強の石段を駆け上がったのです。
当時1歳だった孫を抱え奥ノ院へ向かい300段強の階段を一気に駆け上った私の健脚も今年の参拝では喘ぎ喘ぎたどりつけた始末ですがへこたれているわけではありません。
会社は加齢とともに体力をつけ現在に至っています、私も加齢とともに一回り大きな人間味ある棟梁を目指し、生涯現役努力を重ねていくという、志しを持ち続ける所存なのです。
私の周りには大きな志の人がたくさんいますが、今年一番尊敬に値する人物は茅ヶ崎市市役所から東日本大震災復興支援に自ら志願された0さんであるとおもいます。
いずれ訪れるXデーにはOさんの志が!努力が!生かされ多くの被災者が救われる事でしょう。
Oさんご苦労様、カウントダウンの始まったXデーまで志を捨てず頑張ってください。
今テレビでは紅白白組の美輪明宏さんの歌う、よいとまけの歌が聞こえています、母ちゃんの働く姿みた、と歌っています。
(よいとまけとは未だ建築重機のない時代、地盤を固めるため大きな丸太を8人ほどの土方と呼ばれる人足がやぐらの上へ吊り上げ地面に落下させ、杭を打ったりして固まった地盤の上に基礎を作る作業のため、力を合わせる掛け声代わりに歌った歌がよいとまけの歌で引手の人たちが即興で作る歌でした)子供の為ならえんやこら、おっかさんのためならえんやこらと、歌いながら心を一つに一日中綱を引き丸太を吊り上げては落とす、よいとまけの歌と作業を繰り返すつらい苦しい作業と歌の事です。
私も幼いころ、戦死した父に代わり家族を守る志の元、土方として苦労し家族を守ってくれた母のよいとまけの働く姿を見て育ち、引き継いだ志で現在の加賀妻工務店があるのです。