建築端材で体験マイ箸作り備忘録

茅ヶ崎市中央公園で行われたふれあい祭りのイベントに参加することができた。
私のお役目は大工職人の技術を生かし建築端材を利用して箸用木材を提供し箸つくりの体験を多くのファミリーに実施指導することです。
幸い弊社は自然素材をふんだんに使った住宅造りを得意としているため使用する木材も産地を特選し、高級和風住宅、数寄屋茶室に使用される紀州材を厳選し使用しています。
自然遺産熊野神社に隣接する山林から伐採された年輪100年スギや、ヒノキ材、通常のルートからでは入手できない木材を朝日住まい造り協同組合匠の会(朝日新聞社が購読者のために技術と信用に支えられた工務店を厳選、朝日新聞購読者に紹介するために作られた格式ある協同組合)
の名のもと高級な建築用材として特別に伐採された木材を入手できるのです。
今回の試みは日ごろは手にするチャンスのない、本職が使うカンナを使っての箸つくり体験です。
マイ箸に使用する木材は多種あり、堅木(かたい木)を使う場合はカンナを使わずに小刀やヤスリを使い箸を形作るため箸一膳(一組)を完成させるのに1日かかりとなります。
今回はカンナ使いに不慣れな幼児から一般成人老若男女と不特定多数の人に短時間で箸つくりを体験していただく為に加工しやすいスギの柾目(数寄屋茶室に使用した木目の通ったスギの端材)
を使用することにより短時間に多くの人々にマイ箸つくり体験をしていただくのが目的です。
準備した半加工の箸80膳のすべてが加工され消えてしまったことは多くの人が体験したことになり、加工しやすさを優先させた今回の木材選びには間違いはなかったと思いますが、実用的にはスギ材は水分を吸い込むと柔らかくなるのです。
箸は乾燥した状態で使用し、箸先の太さを4ミリ~5ミリに抑えなければ破損する可能性が大きくなることを関係者に伝え損ねてしまったために、体験者の希望もあり箸先を3ミリ以下にまで削り込んでしまった箸が目を引いた。(水分を含むと木材によっては箸先が破損する可能性大)
マイ箸を大切に持ち帰った人達の中には箸先を破損させ、がっかりしている人の姿が目に映り今更ながら私の言葉足らずに後悔し責任を感じているのです。
今回の箸のサイズは標準サイズよりは2センチほど長く加工してあるので気が付いた人は破損した箸先を鋭利なカッターで、ころころ転がしながら切断することにより破損しない実用的なサイズの箸先を確保できるので挑戦してほしいのだが。
今回の箸つくり体験、イベントとしては合格点、実用的箸の提供ということでは落第点と自己評価。
次回は難易度をあげ材質を別種としてみよう。
写真添付は後工程で