耐震診断とシェルター

昭和56年以前に建築された中古住宅を購入された年配の女性からの依頼で耐震診断を行った。
診断費用は84,000円であるが、高齢者と言うことで全額を市の補助金でまかなえた。
調査の結果は倒壊の可能性のある危険な建物であるとの判定だあり耐震補強に要する費用は200万円程であった。
市からの補助金が784、000円・自己負担金120万円で危険な建物が安全な建物に生まれ
替われるのですが年金暮らしの身ではままならないとのこと。
地震が来れば倒壊する確率の高い建物ですから何とかして差し上げたい、倒壊しなければ余生を送ることのできる終の棲家、補強をしなければ路頭に迷うことは明らかですが私のしんぱいをよそに、当のご本人は部屋の中に小さな箱を作り(シェルター)そこで暮らす考えのようです。
地震の揺れはせいぜい15秒間程度の強い揺れ、その15秒の間立つことも歩く事もできないそうです、夜休んでいるときに運良く?大地震が起きてくれればシェルターで休む一人の生命が生かされるが昼間の地震ではシェルターに入るまもなく家族共々下敷きとなるので航海も恨み辛みもないが、運良く深夜の地震で生かされたシェルターの主はどう後悔の念にかられるのか?
私の仕事は家族の中に遺恨が残らぬように家を壊さない道を探ることであろう。