世界初ウナギの養殖に成功

湘南の風物詩、しらすうなぎの採集、夜の海にカンテラが光り三角形の捕獲網を操る人たちが闇夜の浜辺でうごめいている風景、最近余り見かけなくなったような気がしている。
昨日のテレビや日経朝刊の報道で世界初ウナギの養殖に成功の喜ばしいニュースをしった。
ウナギには嬉しかった思い出がある。
ウナギを初めて食ったのは25才頃だったか、独立して間もない頃で贅沢など望める分けもない貧乏生活のひび、同業者で羽振りの良い友人に連れられその友人が手がけた平塚のうなぎ屋で昼の定食ウナギ丼をごちそうになったのがウナギとの初めての出会いで、こんな旨い食べ物があるのかと感謝しつつ舌鼓を打った事が懐かしく思い出される。
それから10年は過ぎた頃であろうか友人は事業に失敗し私に借金をする事になったが彼には既に返済できる見込みがないことは火を見るより明らかであったが、貧しくひもじかった頃に食べさせてくれたウナギの恩に報いる気持ちもあり、戻る見込みのない金、百万円をそっと手渡し見送った事があったがその後彼は借金の諍いで他界したとの風の噂を耳にし青年実業家のはかない末路に涙した。
事業全盛の頃の彼の事務所跡にはオートバイの駅ができハーレーダビットソン販売店が華々しくオープンされた。
25才で独立し会社を成長させ存続し続けることは大変なことである、彼のような失敗は家族や一心同体、運命共同体の大工さんや社員の生活までも破綻させ路頭に迷わせることになる事を肝に命じてそうならぬよう朝令暮改の舵取りを心がけているつもりではあるが!
ウナギを想うと苦労した時代を今も忘れずに身を引き締めている自分に気がつくのである。