渡辺篤史の建物探訪、番組は28年目、建物の魅力を伝え続けてきた。
その思いを語ってもらった。
まずは、渡辺の思う 優れている家について聞いた。
番組を長くやっているもんで、いろんな人から『最も良かったと思う家は?』と
質問されるんです。
『選べるわけないじゃないですか』家族構成やライフスタイル、趣味趣好は人
それぞれだから、具体的にどこがどうなっていれば優れているとは言えない。
ただし,感心させられる家の共通点なら、すぐに言えますよ。
それはね、『つくり手の愛や住み手の安心感が伝わってくる家です。』
つくり手が自分は他人様の家を扱っているんだという謙虚さや思いやりを持って
建てている家ってね、住まう人の安心感に包まれているんですよ。玄関の広さや
手すりの位置、窓の大きさや位置など、細かな部分にまで完成形に至った根拠が
ある。また、外観は周辺の町並みと調和が取れていて、
存在感はあっても決して突出していない。これもつくり手が地域の歴史にまで配慮
している結果なんです。こんなふうに、自分達や地域のことが考えに考え抜かれた
家なら、当然、住まう人は愛着を抱きながら暮らしますよね、これが、何ともいえない
安心感になって家を包み込むんですよ、こういう空気は、初めてお邪魔する僕にも
伝わってくる。訪問しているのはそんなお宅ばかりです。
『不思議なことですが、楽しんで家づくりをした人の家をみたとき、そのことが家から
伝わってきて、すごく幸せな気持ちになります。』
『家づくりとても大事な15の話』から・野池政宏さんの素敵な一言です。
「環境×健康×住まい」をテーマに幅広い活動を行っています。20年前に初めて講義を
受けた時、すっかりファンになってしまいました。
渡辺篤さん、野池政宏さん、同じ事を話しておられます。
簡単な答えと思われますが、途中のプロセスはすごく長く複雑で、苦労をしてきからこそ
たどり着いた。綺麗な素敵な一言ですね。
妹尾喜浩