筋交いは柱と柱の間の頭と脚の部分に斜めに取り付きます。
この筋交いは斜めに取りついているがゆえに地震や台風が発生した時、木造住宅に対して横からの力を受けると「つっかえ棒」のような役割をして地震力に抵抗します。
この「つっかえ棒」が地震時に柱と筋交いとの接点で大変大きな力となり筋交いが取り外れてしまうということが起きます。
筋かいは木造軸組み工法において耐震上もっとも重要な役割をします。この筋交いが外れないようにすることが重要になります。
そこで筋かいが地震時にはずれないようにするために金物で補強する必要があります。
それが上の画像の金物が筋交い金物と呼ばれています。
この金物は筋交いと柱の接点を繋ぎ止めておくための金物で大変重要な役割をします。
筋交い単体では地震力に大きな効果がありません。
筋交いと筋交い金物のセットで初めて地震力に抵抗できます。。
筋交いを取り付けたら必ずこの筋交い金物を全ての箇所に取り付けなければなりません。
この筋交い金物は建築基準法においてその仕様規定で具体的にきちんと定められています。
木造住宅の設計では「筋交い端部」、「柱頭・柱脚」、「横架材」の3つの接合部が重要と言われています。
耐震補強工事をしていると昭和56以前の建物は筋交いが入ってる建物も当然ありますが、筋交いが金物で土台と柱に連結されていません。壁を解体してびっくりすることがあります。筋交いにエアコンの配管の穴が開いていたり、穴を開けて電気配線してあったりもします。構造耐力上主要な部分の筋交いなので絶対に欠きこみを入れたり穴を開けてはいけません。
昭和56以前の建物は大地震が来たとき、筋交いや柱が抜けて倒壊する恐れがあります。
大切な命を守るためにも、耐震診断をおすすめいたします。
加賀妻英樹