子供たちの心(05.05.06)

いま、学校の子供たちの心が荒れ、すさんでいるという。〔それは戦後、学校の校舎がコンクリ−ト建築になったせいだ〕。そういった左官がいた。、昔の学校は、左官が手がけた土や漆喰の壁と、木で出来ていた。左官の壁も、木も弱い物だ。たたけば傷ついたり、剥がれ落ちたりする。それで子供達は、自然に、壁や、木で作った机やいすを傷付けないように、大事にする心を学んだ。一方、コンクリ−トの壁のように、殴っても蹴ってもびくともしない物を、子供達は手荒に扱う。それに伴って、子供達の心も自然に荒れて行ったのではないか?大工にしろ左官にしろ職人達は、物の見方も、人とのつきあい方も優しい。この優しさはどこから来るのか・そう考えたとき、仕事の対象が自然を相手にしているところに由来するのではないかと気づいた。この人間を超えた自然に従うという、寛容な心を学んでいるのではないか。職人は勝つとか負けるとか、儲けるとか損をするとかいった世界の向こう側にある。うそをつかない自然への深い思いを抱いている。・・・・・左官のいる 風景より。