緑の借景をインテリアとして楽しんで。家族の鎌倉時間を育む、自然の中の住まい。

暮らし探訪vol18.Kさま邸(鎌倉市)

グリーンの借景と美しいインテリアに彩られた叶井様邸。緑豊かな鎌倉の住宅街で、季節ごとの自然の風景に寄り添いながら、家族の暮らしを営まれています。裸足で過ごすのが気持ちいという快適な新居は、どのようにしてつくられたのか。ご夫妻にお話を伺いました。

緑に寄り添う土地の特性を活かしたプランニング

叶井様邸が建つのは、海や江の島にもほど近い鎌倉の住宅街。「自然が身近な場所で暮らしたかった」というご夫妻の希望通り、緑豊かな小高い山に寄り添うように佇んでいます。焼杉張りの外観は、周囲の自然に溶け込みながらも存在感たっぷり。趣ある砂利敷きのアプローチが、建物奥の玄関へと導いてくれます。

「いくつかの工務店に相談しましたが、この土地の良さをもっとも活かしたプランを提案してくれたのが加賀妻さんでした」と叶井さん。それを象徴しているのが、2階のリビングに設けられたL字の高窓です。「裏の森に向かって設けられており、光とともに季節ごとの自然の風景を部屋に取り込んでくれます。天気のいい日は、木々の影が壁や床に映ってとてもきれいなんですよ」。特に、高窓の対角線上にあるダイニングからの眺めがお気に入り。森への視線の抜けを意識して設計されているといいます。

良い素材を使って丁寧に。プロのプライドに感動

加賀妻工務店に決めた理由は他にもありました。「見学会で訪問させていただいた家がどれも印象的で。デザインが素敵だし、何より暮らしやすそう。木のにおい、床を歩いた感触も気持ちよく、良い素材を使って丁寧につくっているんだなと好感を持ちました」。

完成した家では裸足で過ごすことが多いという叶井さんご家族。床や天井は杉、壁は調湿効果のある漆喰で仕上げられています。「鎌倉は湿度が高いと聞いていたのですが、梅雨時期もカラッと快適。風通しも抜群です。窓は障子戸にしたところ、こちらからお願いせずとも、設計士さんがスッキリ収納できる戸袋をしつらえてくれました。細かい点まで気を配り、美しさを追求する、プロのプライドを感じましたね」。

新居を拠点に、家族で鎌倉ライフを満喫

家づくりを進めているさなかに長女・いろはちゃんが誕生。近隣のファミリーとBBQをしたり、家族で江の島まで散歩したり、新居を拠点に鎌倉での暮らしを満喫されています。思いがけず活躍しているのは、リビングとダイニングの双方からフラットで繋がる3畳程度のウッドデッキ。洗濯物を干すだけでなく、燻製料理のスモークやテレワークなどに活用しているといいます。「そこまで広くないのが、かえって落ち着くんですよね。格子の目隠しがあるので、外からの目線も気になりません。ちょっとした隠れ家感覚で使っています」。


もうすぐ、2人目のお子さまも家族の仲間入り(取材時)。こだわりが詰まった住まいで、ますます暮らしの楽しみが広がります。

住まいのギャラリー


・外観:緑に映える、焼杉張りの和モダンな外観。片流れの屋根は森に向かって高くなっている。


・玄関アプローチ:玄関は住まい側面の奥に配置。砂利を敷き詰めた風情あるアプローチが導いてくれる。アプローチの途中、ウッドデッキの下にあたるスペースは自転車置き場として利用。 


・玄関&土間:玄関の床には、アプローチと同じ墨モルタルを使用。奥には、靴でそのまま入れる土間収納を設置した。シューズボックスのほか、釣り道具やアウトドア用品などが置かれている。工具やマスクが掛けられた壁面の穴あきボードはご主人がDIY。


・リビング:ご家族団らんの場となるリビング。北欧デザイナーのチェアやスタンドなどが空間を彩る。ウッドデッキのフェンスが高いため、外からの目線も気にならない。


・小上がり:緑の借景が美しい、リビングの高窓。下部が収納になっている3畳の小上がりは、お嬢さまの遊び場やお昼寝場所として大活躍。ゲストが訪れた際にはベンチにも。


・2階:中央に階段を設けて、リビングとダイニング・キッチンを緩やかに分離。サッシにはカーテンをかけず、障子を採用。閉じるとガラリと雰囲気が変わる。


・キッチン:ダイニングとバスルームに繋がる2WAYのキッチン。動線がよく家事しやすい。背後には造作の収納棚を設置。人が来た際は扉を閉めて隠せるようになっている。


・子ども部屋:1階の子ども部屋は、将来的に壁で仕切り2室にできるようになっている。現在はご主人の仕事部屋として使用。


・洗面室:ゲストが利用しやすいよう、バスルームの脱衣所とは別に独立した洗面室を用意。

[取材・撮影 有限会社さくらがおか]