やがて「終の住処」となるように。 憧れの注文建築で、妥協のない家づくりを。

暮らし探訪vol15.Sさま邸(大磯町)

2軒の建売住宅に住まわれた経験を経て、理想を詰め込んだ注文住宅の新居を建てられた椎野さんご夫妻。家中を自由自在に使いこなし、家族とともにのびやかな暮らしを楽しんでいます。「ウチが一番!」と笑顔で話すご夫妻に、住まいづくりでこだわったポイントやお気に入りの場所などを伺いました。

自分たちのカンを信じて、加賀妻工務店に家づくりを依頼

「大きな声では言えませんが、『ウチ以上にいい家はない!』と自画自賛しています」。チャーミングな笑顔でそう話してくれたのは、風光明媚な大磯の地でこだわりの新居を建てられた椎野さんご夫妻。海までは歩いて5分、駅も徒歩圏の閑静な住宅街。この土地を得たことから、おふたりの家づくりは始まりました。合言葉は「絶対に妥協しないこと」。これまでに2軒の建売住宅を購入・売却された経験から、「次こそは注文建築で思い通りの家を」と決められていたといいます。展示場をめぐり、様々なハウスメーカーを検討しましたが、なかなかピンとくる会社を見つけられずにいた頃に、ママ友が紹介してくれたのが加賀妻工務店でした。「高級住宅のイメージがあったので最初は恐る恐る伺ったのですが、社長が何よりもまず、木などの素材の話を熱く語ってくれたのが心に残りました。ビビビッと感じるものがあり、すぐに『ココにお願いしたい』と。自分たちのカンを信じてみようと思いました」。


部屋の役割を決めず、家中を使って自由に過ごす

ご夫妻とふたりのお子さまの暮らしの中心となるのは、庭に面して大きな開口部が設けられたリビング・ダイニング。サッシを開け放つとウッドデッキがフラットに繋がり開放感が増す一方、障子を閉めればグッと落ち着いた和の空間に早変わりします。リビングの一角に設けた4畳ほどの和室は、ちょっとした家事をしたり、お子さまが遊んだり、ご親族を招いた際にゲストルームとしても活躍するマルチスペース。時にはご家族みんなの寝室にもなるというから驚きます。「最初から『この部屋ではこう過ごす』といった役割を決めず、家中を好きに使いたいと思っていました。だから、我が家には決まった寝室がないんです。居心地のいい場所が多いから、布団を敷けばそこがベッドルーム(笑)。子ども部屋にも仕切りを設けず、オープンにしています。自由に過ごせるようにしたことで、逆に家族の距離が近くなったように感じますね」。


理想の家で、家族とともに歳を重ねていく

床や天井は杉、壁は珪藻土と、自然素材もふんだんに採り入れました。キッチンに使用しているタイルや照明などのインテリアも、加賀妻工務店の提案によるものだといいます。「設計士さんに確固としたイメージがあるので、お任せしておけば安心だと思いました。間取りなども、最初にいただいた設計案がほぼ完成形です。こちらの要望や土地の形状にあわせて、一番いい住まいのカタチを提案してもらいました」。奥さまの好きな場所は、アイランド風の作業台を備えた造作のキッチン。ご主人は、リビングのソファでくつろぐひと時がお気に入り。住まいの最奥にあたる場所に設けた隠れ家のような書斎は、仕事がテレワーク中心になったことで思いがけず重宝しているそうです。「3軒目の住まいで、ようやく理想にたどり着きました。ここで家族とともに歳を重ね、やがては子どもたちを送り出し、その後もみんなが集まれる家にしたいと思っています」。


住まいのギャラリー


・外観:片流れ屋根とアクセントに使われた杉材が印象的な椎野邸。落ち着きのあるグレージュの外壁は、天候や光の具合によってニュアンスを変える。


・ウッドデッキ:リビングからフラットに張り出したウッドデッキは、まるで縁側のよう。奥にある書斎にも繋がっており、ウッドデッキを通じて行き来ができる。


・リビング・ダイニング:ご家族の団らんの場となるリビング・ダイニングは、裸足で過ごすのが気持ちいい空間。障子を閉めると、部屋の表情がガラリと変化。外の光を柔らかく受けとめ、プライベートタイムを優しく演出する。


・キッチン:レンガ風のタイルがおしゃれなキッチンは、奥さまこだわりの場所。もともと持っている食器や調理器具などにあわせ、棚や収納などもすべて造作でしつらえた。アイランド風の作業台は、会話がしやすくゲストを招いた際も活躍。奥には収納豊富なパントリーを設置した。


・2階:お子さまのための部屋は仕切りのないオープンスペース。自由に使えるようになっている。リビング側の壁は大きくくり抜き、階下にいるご家族と会話ができる。


・洗面室:イエローのタイルがキュートな洗面室。洗濯機は階段下のデッドスペースに置き、限られた空間を広く使っている。


・和室:襖を開放すればリビングと一体化する和室。押入れの下には空間を設けて明かりとりに。この小さな工夫が、空間を想像以上に広く感じさせている。お子さまもここに入るのがお気に入りとか。


・高橋一総社長(左)と談笑するご夫妻とご長男。残念ながらお嬢さまはご不在。この空間で、家族の時間が育まれる。

[取材・撮影 有限会社さくらがおか]